第173回「白金寄席」で伝統芸能を堪能しました
白金寄席世話人会主催の第173回「白金寄席」に行ってきました。
今回の白金寄席は、この春に真打に昇進した講談師「田辺鶴遊」さんを中心に、江戸情緒を三味線で小粋に唄う「柳家小春」さん、そして落語の「三遊亭わん丈」さんの皆さんです。
まずは、白金寄席世話人会の守田さんのご挨拶にはじまり、三遊亭わん丈さんの「國隠し」という新作落語。滋賀県出身なのに京都出身と言い張る旦那と、埼玉出身なのに東京出身と言い張る奥さんが、夏休みに子どもを連れてどっちの実家へ帰るかのお話し。笑いあり、毒ありの面白い内容でした。
続いては田辺鶴遊さんが登場し、講談に入門した者が最初に覚える『三方原合戦記』をベースに講談の世界を簡単に紹介。
そして、柳家小春さんが「江戸の風情」を三味線で唄います。三味線の心地よい音色と小春さんの声が会場に響き、みなさん聞き入っていました。
試しに目を閉じながら聞いてみましたが、「一体ここはどこなんだ」と錯覚するくらい独自の世界観があり、とても楽しめました。
休憩後は、再び鶴遊さんの登場です。
まくらの「東京オリンピック」では、参加国名を読み上げる時間にお客さんに握手してまわるという大サービス。この「東京オリンピック」は、田辺一鶴師匠の最初のオリジナルだそうです。
そして、十二代目田辺南鶴の作品「生か死か」。戦後にあった実話を元にしており、運命の不思議さを感じる作品でした。
おおよそ2時間程度でしたが、あっという間に時間が過ぎた感覚です。
終了後は、お客さん自らが椅子や座布団を片付けて、こちらもあっという間に終了。
みなさん、手慣れたものです。
畳の部屋を出ると、本日出演の皆さんがお見送りのご挨拶です。
夜になり若干涼しくなっていましたが、歩いて帰ることのできる気軽さも「地域寄席」のいいところだと実感できました。
この記事をまとめるにあたり、本日の出演者の皆さんの事を調べましたが、1000円でこんな人たちの芸能を楽しめてしまうという「白金寄席」の凄さというか、世話人会の守田さんのプロデュース力に改めて感心させられました。
こんな楽しい芸能を1000円で観ることが出来るなんて、白金に住んでいて良かった!と思うとともに「もっと大勢の人に観てほしい」という思いで、まとめとさせて頂きます。
●白金寄席
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【白金タイムズ(白金新聞)】